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 『カエルとイーグル』 ばったり屋通信


   ご縁のある福島県南相馬市小高区にあるお寺、同慶寺のご住職、田中徳
  雲さんより寺報をいただきました。一読するなり、これは自分だけにとどめず
  、多くのひとに読んでいただきたい内容と思い、ご住職の「新年のご挨拶」全
  文を載せさせていただきます。同慶寺は福島第一原子力発電所から17キロ
  に位置し、現在「避難指示解除準備区域」として日中の出入りはできても居
  住はできない状況にある小高区にあるお寺です。寺は高台に建っています
  が、地震の折はすぐ下手の地区は津波に流され大きな被害を受けました。


    新年あけましておめでとうございます。
    謹んでみなさまの御健勝をお祈りいたします。
    昨年は皆様にとってどのような一年でしたか。

    あの日から四度目の年越し・・・。今なお十七万人もの人々が避難
   生活を余儀なくされています。それは十七万通りの避難生活者物語
   があるということ。この生活は、支えてくださる方達のお陰で楽しい時
   もありますが、ほとんどは厳しく辛いものです。
    長期化しているので心身ともに、疲弊し、麻痺し、どのくらい疲れて
   いるのかも分からなくなっています。疲れているのか、もしかしたら被
   爆によるブラブラ病の類なのかも分かりません。心は見えないので、
   私たちの心がどれ程傷ついているのかも、理解していただくのは難し
   いと思います。例えてみれば、私たちの心は、傷口が大きく開いたま
   ま、一時は血がだらだら流れていたと思います。時間の経過と共に血
   は止まりましたが、傷が治ったわけでも、癒えたわけでもありません。
   なんとか、ぶ厚いかさぶたができた状態ではないでしょうか。傷口がな
   かなか癒されない大きな理由の一つが、誰もちゃんと責任を取らない
   し、取れない、それどころか真心のこもった謝罪さえもないことにあると
   思います。
    生活は根こそぎ変わり果ててしまいました。それを加害者側はお金で
   精算すると言っています。お金では計れないもののほうが世の中には
   多いはずなのに。そしてなにより、いのちを根底から支える、大地と水、
   海に、放射能が入り込んでしまいました。
    私たちは福島で生活を続けても良いのでしょうか?冷静に判断すれ
   ば私はかなり厳しいと思っています。これは当初から変わりません。
   チェルノブイリや世界中の負の経験から学べば、被爆は子どもの子ども
   にまで影響が出ています。しかし、現実は、帰還政策の中でふるさとの
   なるべく近くで生活をしたいと考える人たちを放っておくことは、私にはで
   きませんでした。これは義理や人情の面からです。悩みながら今できる
   ことをしています。
    お陰様でお寺の復興は少しづつ進んでいます。ですが、本堂や、御霊
   屋の土壁など、本格的な修復はこれからです。今年は、なにをどこまで
   修繕するのか、将来を見据え、しっかり話し合い、少し前進したいと思っ
   ています。
    未来は私たちが想うとおりになっていきます。人々が強く平和を求めれ
   ば平和になっていくでしょうし、無関心で人任せであればひどい世の中に
   なっていくでしょう。今、生き方が問われています。生活の質を見直してい
   きましょう。一度きりの人生、死ぬ直前に「ああすればよかった、こうすれ
   ばよかった」と後悔したくないですからね。大切なのは大地といのちです。
   一度目覚めたら後戻りはできません。自らが変化の一部になっていきま
   しょう。社会や自身の限界を超えて、和合と融合、寛容の中に進化する
   時だと思います。
    新年早々、重い挨拶になってしまいましたが、本音です。本音で話せる
   関係を築いていきたいですね。
    本年もどうぞよろしくお願いいたします。
                                        合掌 
 


    同慶寺ご住職、田中徳雲師はご自身も比較的ベクレルの低いと言われ
   ているいわき市にご家族(小学生から三歳までのお子さんが四人いらっし
   ゃいます)と避難生活をしながらも、車で福島第一原発の横を通ってお寺
   へ通い(車内最大15マイクロシーベルト/1,2分)様々な状況におかれた
   檀家さんをはじめ、ふるさとを想う人々の心の拠りどころとしてお寺を守っ
   てご尽力されています。
    近く「避難指示解除」の声もあるようですが、除染が進んだといっても、根  
   本的な対策や整備がされたわけではありません。津波にのまれていのち
   を落とされた方や死の灰によって避難生活を余儀なくされている方々、ま
   たこうしている間にも福島第一原発で被爆をしながら作業をされている方
   々、そういう「局」に立たされた人々というのはどうにもならない状況を受け
   入れざるをえないわけです。そんな時、窮まった局面を打開していく役を担
   えるのは「局」の外側にいる人たちしかいません。変化を求められているの
   は、福島の、或いは線量の高い地域で暮らしている人々だけではなく、遠く
   で暮らす(距離だけでなく)わたしたち全員ではないでしょうか。
    逃げる場所などどこにもなく、ひとりひとりが自分の責任で現状を変え
   ていくなにかを見つけなくてはならない時です。局にいないのなら、少な
   くともそれを自分から始める自由が与えられているということ。

    『大切なのは大地といのち』
   
   

    
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